2023.2.16 Toho シネマ日比谷(Dolby Atmos)にて鑑賞。本当はDolby cinemaで見たかったのですが、2/16朝で東京の上映は打ち切られてしまったため断念しました。
ラ・ラ・ランドのD.チャゼル監督の話題作。2月10日の公開日が待ち遠しくて仕方がなかったです。音楽は、同じくラ・ラ・ランドのJ.ハーウィッツ氏。
1920年代から1930年代、サイレント映画全盛期からトーキー映画(音声付き映画)の始まりへの過渡期が舞台。サイレント映画時代に映画の可能性を信じ、共に夢を見てきた仲間達が、栄光を掴んだ後にどのような道を辿っていくのか。サイレント映画時代に情熱を傾けていた人々の栄光と、それらがトーキー映画の幕開けとなった「ジャズシンガー」の出現を皮切りに陥落していく様を鮮やかに、狂気的に描き出しています。
生演奏より生演奏っぽい立体感のあるサウンド、一つのジャンルに設定しきれないような先の読めない目まぐるしい映像の変化、そんなふうにカオスな状況が3時間も展開され、観終わったあとは何かに溺れかけたような疲労感がありました。やや性的・暴力的に過激な場面、グロテスクな場面も散見され(地上波では確実にカットされると思います)、ときに不快に思う瞬間や「何を見せられているんだろう…」と思う瞬間もありましたが(時計じかけのオレンジを見たときに抱いた不快感に似ていました)、映画中に抱いたどれら全ての感情は映画の歴史・自身の軌跡を振り返る回想シーンの後に流されるヒロインの一筋の涙で見事に回収されていきました。映画人たちの情熱がこんにちの映画を築いたと、彼ら無くして今日はないと、そんなことを感じて胸がいっぱいになりました。映画製作者の情熱がふんだんに詰まった3時間。D.チャゼル監督自身の映画観を、1920年時代の映画製作者の情熱に投影しているように思えてなりません。
これほどまでに鮮やかな映像・立体的なサウンドを求めてくる作品だと、観るのは映画館一択(後でサブスクで観るのはあまりにも勿体なさすぎる…)、できたらI MAXとDolby atomos両方が備えられているスクリーンで観るのがいいんだろうな…いや〜、もう一度観たいけど…できることならDolby cinemaで観てみたかったものです…
バビロンで引用される映像についての記事を見かけたのでこちらでもシェアしておきます。