ソルフェージュって?
演奏をする際、楽器を扱う上での身体的な問題で躓いてしまうことがあります。しかし、演奏をする上で困難が生じるとき、「身体的な問題」のみに直面するばかりではないことは、すでに多くの人が知っているでしょう。
楽譜を読むことが苦手だ。ドレミは読めても、音を並べることだけで止まってしまう。どのように楽譜を読めば良いのかわからない。…
人の数だけ悩みはあるはずです。
音楽の勉強は、しばしば外国語の勉強に喩えられることがあります。例えば、外国語の勉強をする際は文字の綴り方・読み方・文法を学ぶだけでなく、リーディングやリスニング、音読、会話といったことを通して、自身の総合的な語学力を身につけていきます。このとき、発音の規則を知らずして音読をすることは厳しいことは想像に容易いでしょう。単語を学習するだけでは、文章を作ることはできません。文法を学ぶ時も、ニュアンスの違いを知るためにさまざまな例を参照したり比較したりして、自身の中で理解を深めていくはずです。それでは、音楽の学習ではどうでしょうか?
楽器だけの練習で補いきれない部分を学んでいくのがソルフェージュという分野です。
ソルフェージュとは、一般的に「楽譜の読み書きの訓練」と呼ばれていますが、私は「理論と感覚が融合した状態」を目指すための訓練であると考えております。また、実際の「音」に対する聴感覚を鋭くするだけでなく、音程感の養成、さらにはそれらは内的聴取力(譜面を読んで音楽を自身の中で想像する力)をも培うもので、これらは音楽を深く学ぶ上での基礎的な能力であると言えるでしょう。ソルフェージュの訓練はしばしば演奏と切り離されたものであると感じられる方も少なくないですが、決してそのようなことはございません。演奏に実際に生きるソルフェージュのレッスンを目指して、生徒さま個人のご希望に沿った内容・指導法で適宜レッスンを行うようにしています。
音楽家は多かれ少なかれ常にソルフェージュの問題と直面します。運動分野でいえば「筋力」のようなものであり、絵でいえば、「デッサン力」のようなものである言えます。
レッスン内容
私のソルフェージュのレッスンでは、主に「歌うこと」「聴き取ること」「分析すること」の三つを軸に展開していきます。
まず、声に出して歌えるようになることを目指します。
楽譜を読んで歌うことは、楽譜を読む上での基礎的な読譜力・リズム力の向上だけでなく、実際に音程を紡ぐ感覚や楽譜を分析的に読み解く力をも養うことができます。言葉と同様に、旋律にもアクセントや抑揚があります。自身で音楽的に歌うとができずして、どうして楽器で歌うことができるのでしょうか。また、必要やレベルに応じて移調唱も積極的にレッスンで取り入れ、相対音感の習得を目指します。(移動ド唱ではなく、混乱を避けるためにLa等のシラブル唱を採用しています。)
次に、音楽を聴き取る力の向上を目指します。
例えば、導入段階では短い旋律を覚えていただいた後、実際に楽譜に起こす作業も行っています。何回も自身の中で歌いながら音程幅を測ったり、旋律に含まれるリズムを分析をすることで、音楽の分析力を養います。
また、和音の聴き取りを行うことで、響き全体を捉える力の向上を目指します。
最後に、音楽の分析力の向上を目指します。
先に書いたような実践的なことに併せて、楽典の勉強をします。楽典とは、簡単に言えば音楽全般の基礎的知識・音楽理論を指します。また、進度に合わせて和声学や対位法、実際の曲を用いての楽曲分析(譜面を用いて、あるいは聴取的なもの)を行っていきます。
このような多方面のアプローチは、音楽を専門にする学生だけでなく、音楽を愛好されるすべての方にとって非常に有意義なものです。
しかし、独学・継続が難しいことも事実でしょう。ぜひ、ここで最初の一歩を踏み出してみませんか?
受験生の指導について
受験生のソルフェージュ・楽典指導は、聴音と新曲視唱の対策を中心に行っています。聴音に偏ることなく、視唱も重視して指導しています。
聴音は、レベルに応じてしっかり指導しますので、ご安心ください。新曲視唱で歌う際、予見のときにどんなことを気をつければよいか、実際に歌うときにどのように音程を作るよう心がけていけば良いかといったことを一緒に考え、着実に身につけていきましょう。
入試直前では、過去問を用いてレッスンを行うことも可能です。東京藝術大学および附属高校、桐朋学園音楽大学および附属高校、都立総合芸術高等学校等、それぞれ10年分以上の過去問を用意しています。
場所
生徒様のご自宅や音楽スタジオ等、ピアノがある環境でレッスンをしております。詳しくはご相談ください。