
東京藝術大学大学院映像研究科博士課程、無事に入学いたしました!
博士課程では、「音を聴く」ことを巡って音楽教育と音響教育の接地点について研究をしていこうと思います。分野としてはもしかすると「音楽教育」の方が適しているのかもしれませんが、音響的な視点を持たれる先生方が映像研究科にいらっしゃるので新たな見地からアドバイスをいただけること、また、今後も携わることになる映像制作の環境が整っていることから、映像研究科の博士課程の進学を決めました。また、せっかく映像研究科に在籍するので、映像メディア・ソフトウェアを用いた教育の拡張の可能性も併せて研究していこうと思います。
エドガー・ウィレムスという音楽教育家と、ジョンケージの思想や作品を研究軸に進めていこうと思いますが、エドガー・ウィレムスは「音を聴く」音楽教育を体系的なメソッドとして考案し、現在もヨーロッパ圏をはじめとする諸外国ではそのメソッドや思想が用いられている学校や授業などが多々ようです。
ヨーロッパではコダーイやオルフと並ぶメソッドのようですが、日本では13年前から若林一惠さんただお一人によって研究されている程度にとどまり、まだまだ知名度が低いのが現状で…研究を深めると共に、知名度の向上、さらなる普及と発展を目指していこうと思います。
さて、私が修士に入ってから、今までとは違った「きく」(ジョン・ケージ的な聴き方)を実践する中で、今まで構造的に「音楽」を聴いているだけで、「音」を聞くことができていなかったことに気づきました。その気づきを教育という領域でどのように展開していけるだろうかと考えた時に、改めてウィレムスの著作にあたってみると、…
「音名との結びつきによって、音の聴取が言葉へと変わる時、我々は音を忘れ、音名を聞くようになる。つまり、例えば聞いた旋律を「音の記憶」としてとどめるのではなく、「音名の記憶」で音を捉えるようになる。このようにして、「音」ではなく「音名を聴く」ことが起こってしまう。従来行われてきているソルフェージュの教育は、聞き方を知らない子どもにとって、ソルフェージュ教育に先立つ音楽的な準備をなしに進められた時、有害となり得る。」…
私の中の大きな壁はこれだったのかー!!
さらに読み進めると、様々な音に触れることは「音を聴く」姿勢を育むことにつながるこ、さらには、「新しい音楽」(現代音楽)を受容するための聴的感受性を育むことにも繋がるという言及を読みました。これらのウィレムスの思想は、修士課程における私の「聞き方の変化」を的確に言語化されたようなもののように思われました。
一番最初にこのメソッドを研究したい、日本に少しでも普及させたいと思い始めてから少なくとも5年以上経ちます。研究者の卵として研究ができること、たとえ小さなものだとしても研究の足跡を日本に残すことは、私にとって願ってやまないことです。修了できた暁に何かしらの痕跡を残せることを目指して、研究も深めていこうと思います。仕事と研究の両立を目指して、今後も精進いたします!
2月に紀伊國屋でフランスから取り寄せ注文をしていたウィレムスの書籍9冊、本日手元に来ました!🙌頑張ろう〜
